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クラブ活動報告 「映画を楽しむ会」−17
信ちゃんと舟に住む姉弟との友情と別れ:
『泥の河』 |
本日の出席者の皆さん
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・日 時:
2017(H29)年9月25日(月)
9:30 〜12:00
・作 品:
小栗康平 監督デビュー作 /
1981年(昭和56年)、モノクロ/105分、
・参加者: 17 名
・昼 食:
エルミショッピングモール1階、
「こうのすや」
昭和31年の大阪は、まだ戦後の影響を色濃く残していた。大阪
安治川の河口。川べりの食堂に住む少年
信雄は、両親の温かいぬくもりの中でのびのびと育てられていた。
父 晋平は(田村高廣)から、対岸につながれた舟には近づくなと言われている。だが、ある日その舟に住む姉弟(銀子・喜一)と知り合う。弟は軍歌を三番まで歌うが、父 晋平は満州での出来事を思い出し、戦争の理不尽さを憂える。
生きていくために、廓舟(くるわぶね)で身を売る母親の姿を姉弟は重く感じているが、口には出せない。信雄は、弟との出会いをきっかけに、さらに友情を深めていく。偏見にとらわれない純な行動に、心を打たれた。
また、劇中における「赤胴鈴之助」の曲やテレビ画面の『栃若相撲』は、自分の小学6年と同時代なので、懐かしく想い出された。
田村高廣の優しいまなざし、藤田弓子の母性愛、加賀まりこの若々しい姿と演技も、印象深く残った映画であった。 (報告:瀬山宏昭)
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野本英夫さんが、来月鑑賞する「天国と
地獄」について初公開時のエピソードを
紹介、チケット売り場の隣にある「鴻巣
市市民活動センター」にて
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エルミ・フードコートでの昼食会風景
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「川幅うどんセット」、これにコーヒーが
ついて@650円
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< 出席者から寄せられた感想 >(到着順)
(1) 野本 英夫(専攻2火) 9/25 9:45 p.m.
予備知識なしに、初めて見ました。なんとなく社会派映画と思っていたのですが、少年の映画だとは知りませんでした。大変重たい映画です。昭和31年ころの大阪を舞台に、3人の子供たちがそれぞれ複雑な境遇の下にひと夏を過ごします。その子供たちを、温かく見守る田村高廣の演技は味があり、さすがです。戦争を知らない3人の子供たちが、戦争の呪縛から解き放たれ、フリーになれた日が来たのでしょうか?
(2) 尾田 昭子(専攻2水) 9/25 10:45 p.m.
私が小学生のころ、船上で生活する子供の日常を映像にしたドラマを、学校で見た記憶がよみがえりました。キッちゃんと信雄の出会いと別れが、時代の背景と重なって切なく、涙が止まりませんでした。二人のその後の人生、どう変わったのか?本当に、最後まで切なかったです。
(3) 宇野 るい子(専攻2火) 9/26 6:34 a.m.
敗戦の11年後、日本経済の成長と近代化の波に取り残されたような生活環境の9歳の男子信雄ときっちゃんの短い交流、はかない友情。モノクロの画像、キッちゃんの歌う軍歌、全編を通してどうしようもない哀しみと怒り、そして優しさを感じた。改めて、こういう時代があって今があることを忘れてはいけないな、と思う。
なお、昼食の「川幅うどん」は、とてもおいしかった。値段の安さ(650円)には、びっくりした。
(4) 信末善男(専攻1水) 9/26 9:51 a.m.
戦争で生き残った大人たちとその子供たち、子供たちの交流(友情)と直ぐの別れ・・・切ない(私の父も、インパール作戦の生き残りだった)。再び戦争になる国にしてはいけない、とつくづく思った。
(編集・写真:熊谷康夫) |
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