映画を…「泥の河」

ホーム 2008年以降の全 記事 会報「彩央」リスト 投稿 2023年度 通期 2023年度イベント 投稿 2022年度 通期 2022年度イベント 投稿2021年度 下期 投稿2021年度 上期  2020〜21年度 イベント 投稿2020年度 下期 投稿2020年度 上期 投稿 2019年度 下期 2019年度 イベント 投稿 2019年度 上期 投稿 2018年度 下期 2018年度イベント 投稿 2018年度 上期 投稿 2017年度 下期 投稿 2017年度 上期 2017年度イベント 投稿 2016年度 2016年度イベント 投稿2015年度 以前 2015年度 イベント 2014年度イベント 2012年度イベント 2011年度〜以前イベント

ホーム
上へ
クラブ活動報告 「映画を楽しむ会」−17

信ちゃんと舟に住む姉弟との友情と別れ:
『泥の河』

本日の出席者の皆さん

・日 時:
 2017(H29)年9月25日(月)
 9:30 〜12:00
・作 品:
 小栗康平 監督デビュー作 /
 1981年(昭和56年)、モノクロ/105分、
・参加者: 17 名
・昼 食:
 エルミショッピングモール1階、
            「こうのすや」

 昭和31年の大阪は、まだ戦後の影響を色濃く残していた。大阪 安治川の河口。川べりの食堂に住む少年 信雄は、両親の温かいぬくもりの中でのびのびと育てられていた。
 父 晋平は(田村高廣)から、対岸につながれた舟には近づくなと言われている。だが、ある日その舟に住む姉弟(銀子・喜一)と知り合う。弟は軍歌を三番まで歌うが、父 晋平は満州での出来事を思い出し、戦争の理不尽さを憂える。
 生きていくために、廓舟(くるわぶね)で身を売る母親の姿を姉弟は重く感じているが、口には出せない。信雄は、弟との出会いをきっかけに、さらに友情を深めていく。偏見にとらわれない純な行動に、心を打たれた。
 また、劇中における「赤胴鈴之助」の曲やテレビ画面の『栃若相撲』は、自分の小学6年と同時代なので、懐かしく想い出された。
 田村高廣の優しいまなざし、藤田弓子の母性愛、加賀まりこの若々しい姿と演技も、印象深く残った映画であった。                                                     (報告:瀬山宏昭)

野本英夫さんが、来月鑑賞する「天国と
地獄」について初公開時のエピソードを
紹介、チケット売り場の隣にある「鴻巣
市市民活動センター」にて


エルミ・フードコートでの昼食会風景


「川幅うどんセット」、これにコーヒーが
ついて@650円

< 出席者から寄せられた感想 >(到着順)
(1)  野本 英夫(専攻2火) 9/25  9:45 p.m.
 予備知識なしに、初めて見ました。なんとなく社会派映画と思っていたのですが、少年の映画だとは知りませんでした。大変重たい映画です。昭和31年ころの大阪を舞台に、3人の子供たちがそれぞれ複雑な境遇の下にひと夏を過ごします。その子供たちを、温かく見守る田村高廣の演技は味があり、さすがです。戦争を知らない3人の子供たちが、戦争の呪縛から解き放たれ、フリーになれた日が来たのでしょうか?
(2)  尾田 昭子(専攻2水) 9/25  10:45 p.m.
 私が小学生のころ、船上で生活する子供の日常を映像にしたドラマを、学校で見た記憶がよみがえりました。キッちゃんと信雄の出会いと別れが、時代の背景と重なって切なく、涙が止まりませんでした。二人のその後の人生、どう変わったのか?本当に、最後まで切なかったです。
(3)  宇野 るい子(専攻2火) 9/26  6:34 a.m.
 敗戦の11年後、日本経済の成長と近代化の波に取り残されたような生活環境の9歳の男子信雄ときっちゃんの短い交流、はかない友情。モノクロの画像、キッちゃんの歌う軍歌、全編を通してどうしようもない哀しみと怒り、そして優しさを感じた。改めて、こういう時代があって今があることを忘れてはいけないな、と思う。
 なお、昼食の「川幅うどん」は、とてもおいしかった。値段の安さ(650円)には、びっくりした。
(4)  信末善男(専攻1水) 9/26  9:51 a.m.
 戦争で生き残った大人たちとその子供たち、子供たちの交流(友情)と直ぐの別れ・・・切ない(私の父も、インパール作戦の生き残りだった)。再び戦争になる国にしてはいけない、とつくづく思った。                
                             (編集・写真:熊谷康夫)