映画を…『蜘蛛巣城』鑑賞

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猜疑心が運命を分けた!『蜘蛛巣城』を鑑賞

「蜘蛛巣城」を鑑賞した皆さん

・ 日  時:2022年12月8日(木)09:30〜12:00
・ 監   督:黒沢 明
・ 出   演:三船敏郎、山田五十鈴、志村 喬、久保 明、
                浪花千栄子、千秋 実
・ 作   品:1957年/日本/モノクロ/110分
・ 会   場:こうのすシネマ
・ 参加者:12 名
・ 昼   食:なし

 久しぶりに鑑賞した『蜘蛛巣城』。黒澤 明監督独特の音楽構成と画面に、釘付けである。三船敏郎の演ずる鷲津武時と山田五十鈴の奥方とのやり取りが、人間の弱い部分に鋭く突き刺さってきた。
 『七人の侍』もそうだが、決戦に至るまでの心の動きが伝わってくる。黒澤監督と三船敏郎のコンビでなければ、醸し出せない戦国スペクタルであった。
 65年前に製作されたものとは思えない作品で、久しぶりに志村 喬、久保 明、浪花千栄子、千秋 実など主役を盛り上げる脇役の良さにも、心を動かされた。
 シェイクスピアの「マクベス」を翻案した作品としても、注目される時代劇であった。
         (報告:瀬山宏昭、写真:熊谷康夫)

*公式サイトより転載
解説 シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に置き換え描いた、戦国武将の一大悲劇。謀反を起こした敵を討ち城主の危機を救った鷲津武時は、帰城途中に出会った老婆から不思議な予言を聞く。その予言通りに大将に任ぜられると、今度は妻にそそのかされて主を殺害、自ら城主の地位に着く。黒澤監督は、欲望にかられた魂が繰り返す殺戮と狂気を、能の様式美に乗せて見事に描いていく。三船=マクベスが、無数の矢に曝されるラストシーンは圧巻。 

*参加者の感想  
● 対尾雅之さん(16期、桶川市)
 サッカーW杯で日本がクロアチヤに負け、勝利を夢見る世界から、今回の「蜘蛛巣城」観賞で通常の生活に切り替えた。我家は、「チケットがとれない騒動」のフランス大会に夫婦で10泊11日の観戦に出かけるほど熱が入っている。
 この映画は、見たと思っていたが初めてで「あらすじ」をインターネットで調べて、ラストは読まないで参加した。
 戦国の時代の権力闘争、「蜘蛛巣城」・「北の館」・「一の砦」の格の違いが分からず第一関門、老婆の予言が、蜘蛛城主/「都築 国春」に相棒の「三木 義明」から漏れていたかが不明で第二関門。これが黒沢流テクニックで余韻がある。
 映画終了後、サイゼリヤで「女子連の2名」とワインを飲んだ。私も80歳となり、残された健康人生は少ない。映画で異次元の世界に浸れるのは、寿命が延びるようで「とてもハッピー」である。
 最後に、映画鑑賞で疑問点が多発する、感覚が鋭くなったのなら良いが、ボケで集中力が不足しているのではとの不安もある。
 
● 樋口 欽也さん(専攻3期、北本市)        
 蜘蛛巣城(1957年)を最初に観たのは1970年代後半で、名画座でした。フィルムに傷が多く、台詞も聞きとりにくかったのと矢を射かけられるラストシーンだけが記憶に残っていた。
 今回は、修復したデジタル マスター版なので画像は鮮明。台詞は、予想より聞き取りにくかった。音楽は能が基調なのでうとうと気分も多少あったが、有名なラストで覚醒。三船がインタビューで「怖かった」と言っていた、迫力ある場面であった。CGなどがない時代、本物の矢を至近距離から撃ち、それを望遠レンズで撮ったようである。

 以下は、ウィキペディ(URLリンク)から 抜粋 
 三船敏郎が演じる鷲津武時が次々と矢を射かけられるラストシーンでは、実際に体めがけて本物の矢を射っている。刺さる矢は『七人の侍』で開発したテグス方式を使用し、テグスを通した矢を板の仕込んだ着点に刺さるようにした。周囲に刺さる矢は、大学の弓道部員が数メートル離れた板塀めがけて射っており、それを望遠レンズで横から撮ることで、矢が離れていても近くに刺さっているように見えた。三船は後年になって、矢が飛んできたときの気持ちを「この時は怖かった。『後でぶっ殺すぞ』と思ったよ。震えながら逃げ回ったけどね」と語っている。
                       以上

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