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クラブ活動報告「映画を楽しむ会」−31
モスクワ映画祭グランプリ受賞―『裸の島』 |
本日の参加者の皆さん
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・ 日 時:
2018(H30)年11月29日(木)
10:00am〜12:00pm
・ 会 場:こうのすシネマ
(エルミこうのすアネックスビル3・4階)
・ 作 品:
1960年(昭和35年)公開/モノクロ/95分/
日本
・ 参加者:10名
・ 昼 食:アネックスビル2階
「サイゼリヤ」でお好みのランチ
瀬戸内海に浮かぶ孤島。そこに千太(殿山泰司)とトヨ(乙羽信子)の夫婦が、二人の息子と暮らしていた。
この島には、山頂まで帯状に渦巻いて段々畑があるが、水がないために千太夫婦は早朝から日暮れまで、対岸の大きな島で桶に水を汲み、船で運んで畑に水をまかなくてはならない。
一家は、四季の移ろいと共に暮らしていく。サツマイモや小麦を育てるために、貴重な水を天秤棒の両端に桶を下げて運ぶ。元気で仲良しの兄弟。きびしい生活の中にも、家族としての幸せがあった。 |
ワインやビールで乾杯!
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サイゼリヤでのランチ風景
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しかし、長男が高熱を出して、亡くなってしまう。トヨが棺におもちゃの刀を置くシーンと、貴重な作物の苗をむしり取り、桶を逆さにして水をぶち撒く場面には涙を誘われた。
単調な営みの中に、人間が生きていくことの厳しさを一切のセリフなしで描いた驚くべきこの作品は、多くの人に見てほしいと感じた。
新藤兼人監督の意志を受け取った俳優二人の熱演によって、監督の熱意と執念とが観客に伝わってきた素朴で力強さをもった感動作品であった。
(報告:瀬山宏昭、写真:熊谷康夫)
《 会員 投稿 》
* 1年がかりの撮影の秘話 : 岩佐 正二(18期)
この映画は1960年の公開だが、当時は画期的な作品で、大きな話題になったことを思い出した。特に、水の入った二つの桶を天秤棒で担ぎ段々畑を上がって行くシーンと、小舟の櫓を漕ぐシーンが頻繁に出てくる。演じた乙羽信子と殿山泰司は、自分で実際にやらなければあの映像にならないので、体力の限界的な重労働に挑戦したとのこと。
撮影に1年かかったと言われているが、その間はこの2シーンの特訓の連続だったそうだ。その結果、撮影が終わった時には二人の顔は真っ黒、腕・肩・足腰は、筋骨隆々の体になっていたと述懐していた。
このような記事を、当時の新聞が撮影秘話として伝えていたことが蘇ってきた。こんな映画に,いま再び出会えることは素晴らしいことである。
ここをクリックで ⇒ YouTubeの「裸の島」を鑑賞できます、白黒で1時間35分
版
(画質は劣ります、初めは音声がありませんが女性が錨を投げるところから、音声が出ます。 検索キーワード: Youtube
裸の島 ←映画の題名を入力 )
(編集委員/ (対尾)追記)
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