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「映画を楽しむ会」例会 報告−11
『浮雲』: 全編にあふれる“ ゆき子”の 一途な思い
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3階のエレベーター前にて、本日の参加者一同
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・日 時: 平成29年3月15日(水)9:30
〜13:30
・作 品:
「浮雲」 日本公開/1955年(昭和30年)、
白黒/124分、女性映画の名手・成瀬巳喜男監督に
よるメロドラマの金字塔。
・上映館:
こうのすシネマ
(エルミこうのすアネックス3階)
・参加者: 9名
・昼 食: 居酒屋「はなの舞」
昭和8年のインドシナで、ゆき子(高峰秀子)は、富岡(森
雅之)と出会い、関係を持つ。妻との離婚を約束し、彼は先に日本に帰る。遅れて帰国したゆき子は富岡に会うが、妻と別れていないことを知る。二人は空白を埋めるために伊香保温泉に出かけるが、ゆき子の思いは通じない。富岡の優柔不断な心は、温泉地の若い娘(岡田菜莉子)にもおよび、ゆき子の思いはさらに不安になる。
その後も富岡の行動に裏切られつつ、関係を断つことが出来ないゆき子。最後の願いをかけて、富岡の屋久島転勤に同行する。
このあたりから、互いに思いやる気持ちが芽生えてくる。しかし、ゆき子は健康を害し、ゆき子の思いが達成されることはなかった。
林芙美子の「花の命はみじかくて、苦しきことのみ多かりき」の言葉が、ゆき子の思いを代弁しているようだ。それにしても、62年前の映画を見ることができ、当時の日本の風景や様子をなつかしく楽しめたのも、映画の大きな魅力であることに感謝したい。
(報告:瀬山宏昭 写真:熊谷康夫) |
居酒屋「はなの舞」での昼食風景
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