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「映画を楽しむ会」活動報告―75
「ショコラ」を観賞
〜 甘くておいしいファンタジック・ロマン 〜 |
1月度例会 出席者 10名
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開催日:1月24日(水)、10時上映開始
・ 作 品:「ショコラ」、
2000年/アメリカ、カラー/121分
・ 監 督:ラッセ・ハルストレム
・ 出 演:ジュリエット・ビノス、
ジョニー・デップ、
ヴィクトワール・ティヴィソル
・ 出席者:10名
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昼食会風景 |
・ 昼食場所:アジアンスパイシーレストラン 「サモサ」参加:8名
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<ストーリー・解説>
1959年、フランスの小さな村にヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と彼女の幼い娘(ヴィクトワール・ティヴィソル)がやってくる。母娘は旅の先々でチョコレートの店を開いては定住することなく、次の場所へと放浪を続けている。ファーストシーンの赤いコートをまとって歩く2人の姿は、特に印象的である。
死期の近い家主の老婦人と疎遠だったその孫の男の子らとの交流、ヴィアンヌのチョコレートの力によって暴力的、威圧的な夫から自立する主婦を助けたりして徐々に村に溶け込んで行く。
ヴィアンヌの作るチョコレートは古い因習に縛られ、禁欲的な暮らしを続けてきた住人たちの心の扉を開き、人生の喜びに目覚めさせていく。
しかし狂信的ともいえる信仰心で村人たちを支配しようとする村長レノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)は、ヴィアンヌに反感を持つ。そこにジプシーの一行が現れ、ヴィアンヌはリーダー格の青年(ジョニー・デップ)と愛し合うようになるが、レノ伯爵は彼らを追い払うため最終手段に訴える。ジプシーの住まいである船が放火され、燃えてしまう事件が起こった。
しかし、その村長もヴィアンヌの作るチョコレートと人柄により理解して謝罪する排他的だった村は解放され、喜びに沸く。
主演したジュリエット・ビノシュはかすかに憂いが漂う面差しと笑顔で圧倒的な存在感を示していた。?彼女はヴェネチア国際映画賞、ベルリン国際映画祭、アメリカアカデミー賞の世界3代映画祭の受賞者である。
また娘のアヌークを演じたヴィクトワール・ティヴィソルは4歳にしてヴェネチア国際映画祭の女優賞を授かるなど子役として脚光を浴びていた少女である。
(報告:岩佐正二 写真:石黒廣行、大島かよ子)
<参加者の感想>
◆ 石黒 廣行さん(専攻3期、北本市)
65年前の物語である。どんな型の車が走っているのかを見れば、だいたいの時代が直ぐに分かるのだが、1台も出てこなかった。最近見た映画で車を見なかったのは、初めてであった。そこで、今日の映画の時代背景は、建物や俳優が着ていた衣装によって理解した。
当時のヨーロッパは、異教徒や遠いところから来た人に対して村が受け入れない、日本で言えば「村八分」が存在していた。それは今日のイスラエルとパレスチナとの紛争に結びついているように感じた。
映画では、最初村の人たちは受入なかった母娘を、お互いに心情を理解して、後はパッピーエンドに終わり、久し振りに分かりやすい映画であった。
◆ 古荘 元信さん(専攻5期、北本市)
この映画は、復活祭(イースター)前の断食期間中にフランスの小さな村にやってきた一組の母娘(ヴィアンヌとアヌーク)や船で流れ着いたジプシーの一団という、言わばよそ者に反感を抱いた敬虔なキリスト教信者である村長(レノ伯爵)や村人が、葛藤を通じて人間性を取り戻していく物語として大変興味深い映画だと思った。また、流れてくる音楽も心地よく、安らぎを覚えた。
イスラム教に断食期間があるのは知っていたが、キリスト教にも断食期間があることを初めて知り、家に帰って調べてみた。カトリック教会および保守的なプロテスタント宗派では、キリストの荒野での40日間の断食、苦難を記念して、復活祭(イースター)前日までの46日間から日曜日を除いた40日間の断食を行うとのこと。考えてみると、イスラム教もキリスト教に起源を持つ宗教だから、同様な断食期間あるのは当然だということも分かった。
以上 |
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